七十二候では、先週から今週は「虹はじめてあらわれる」時期と言われています。
春の雨あがり、空いっぱいに虹が広がる美しい季節です。
幼いころどんなことがあっても、虹が出たらすぐさま外に出て、
赤、オレンジ、黄色、緑、青、紫・・・・それぞれの輝く色の奏でる音楽を
消えるまで見続けていた頃を、懐かしく思います。
ゲーテ原作のファウスト第二部の最初にも虹をテーマにしたお話が出てきます。
人生に疲れ果てた主人公のファウストが、輝く虹を見ることによって、その美しさに魅了され、また自分の中に生きる力が沸いてくるお話です。
「輝く虹の色彩の中に、私たちの生命が映し出される。」
ファウストは感慨深く、この有名な言葉を語ります。
生命が復活するイースターがあるこの時期に、人間の生命の営みを映し出す虹が現れることは大きな意味があるかもしれません。
輝く虹の色彩は、私たちの心の営みであり、私たちの創造力のあらわれなのでしょう。